食品工業をはじめ化学薬品工業における濾液の個液分離作業の自動化は、業界の等しく待望されたものです。近年その作業工程の自動化が完成し大きな省力化をもたらしたが、今一歩個液分離における品質の保全について不十分さがありました。個液分離作業は、長時間に亘って行われる作業です。その時間中、機械の清掃が容易で且つ完全に行われることが品質保全すなわち雑菌の繁殖を防止し、個液分離作業中製品の汚染を防ぐ唯一の手段です。

ONP自動圧濾圧搾機は、これらの要望に応え機械の各材質の選定、濾布のワンタッチ交換等を採用し、長期作業における清潔な圧濾圧搾機として個液分離作業における製品品質の保全と脱水機能が抜群で大幅な省力化及びランニングコストの低減を完成した自動圧濾圧搾機です。

特長

1. 濾過板及び圧搾板は非金属性樹脂材(KD)を使用し耐圧耐蝕性に優れ薬品等による洗浄殺菌が出来る。(別注仕様としてPP・ステンレス・アルミ製も製作できます。
2. 濾過板及び圧搾板の組立てにおいてはゴム質のパッキン及びシートを全面廃止して耐久性に優れる樹脂材シート(E.V.A.)を使用し分離液の品質保全及びゴム臭皆無。
3. 濾布の取りはずし取付けがワンタッチで容易に出来る方式とし雑菌繁殖に伴い分離液汚染を考慮しました。
4. 濾布は特殊織を使用しており目詰まりがなくケーキ離れが良く、濾過性が良い。
5. 濾布の選定により滓を出さず布香もつかずケーキもつかずを実現し分離液の清澄と省力化を計りました。
6. 醪注入に当って濾過板内の空気は全て上部に逃す構造とし全濾枠に亘って均等な醪注入がなされます。
7. 機械操作、濾過、及び圧搾はデラックス型においてはプログラムコントロール方式とし完全自動操作としました。
8. 濾過板の強度、耐蝕性、濾布のワンタッチ交換等常に機械の維持消耗を考慮しランニングコストの低減を計りました。
9. 総ての操作において安全装置を装着し安全性を確立しました。
10. プレッシャースイッチに対するコントロールタンク使用。
11. 常にケーキの水分を均一に出来るため後処理が簡単です。(中板に厚み調整板を設置している。)
12. ケーキ剥がしに際し濾過板の自動開枠装置を装備しケーキ剥がしの労力を低減しました。(別注)
13. 自動洗浄装置、自動開枠装置と連動させ各板を一枚ずつ洗浄可能です。(別注)
14. 濾過液の清澄度は精密濾過機に劣らぬ機能を持っています。           
  ※附帯設備・御希望によりケーキ搬出装置及び架台の製作も致します。        
  ※フレームにステンレスを巻いている為、粕に鉄錆がつかない。

仕様

形式 白米量(kg) 段数 機長× 機巾× 機高(mm) 重量(kg)
O.N.P.50 1,100 50 4,970×1,460×2600 8,000
O.N.P.70 1,600 70 5,570×1,460×2600 8,000
O.N.P.130 3,000 130 7,370×1,460×2600 11,000
O.N.P.150 3,300 150 7,970×1,460×2600 11,500
O.N.P.170 3,700 170 8,570×1,460×2600 12,000
O.N.P.200 4,500 200 9,470×1,460×2600 13,000

● 1段当り粕量は5~6㎏です。粕歩合25%とすれば、白米3,000㎏仕込の場合、3,000×0.25÷6㎏=125段=130段で良い。
● 粕歩合により段数の増減の必要があります。

ONP自動圧濾圧搾機 操作方法

濾板挿入

1.濾過板、圧搾機は必ず交互に挿入して下さい。
2.段数の加減は仕切板を御使用下さい。仕切板に濾布を取付け仕切段数の濾過板と取り替えて下さい。

プレス閉め

1.制御盤内の油圧ボタンをONにし、切替スイッチを締付にしますと一定圧力で締付ます。(50~55Mpa)

醪送り

1.圧入ポンプスイッチをONにし、濾液回収ポンプを自動にする。
2.最初、低圧で送り込み、最終注入圧力を0. 2Mpaで止めて下さい。
3.エアー抜バルブを最初開いておき、濾液がくれば止めて下さい。
4.圧入時間は6~7時間位です。

圧搾

醪注入後(コンプレッサー)エアーにより圧搾します。
1.エアーヘッダーの排気バルブを締める。  
2.圧力はプレッシャースイッチとタイマーの組合わせで段階的に加圧します。
3.最終段階は0.7Mpaでそのままエアー圧搾を行ない12~16時間搾ります。

エアーブロー圧搾圧排除

醪注入後(コンプレッサー)エアーにより圧搾します。
1.エアーヘッダーのバルブ及びエアーブローのバルブを開き圧搾板内のエアーを排除します。  
2.コンプレッサー・エアーフィルターのドレン抜きは、毎回行って下さい。

開枠

エアーの圧力がゼロになったのを確認の上、切替スイッチを開にします。

粕離し

開枠後1枚ずつ開いて粕を取り出して下さい。

洗浄

運転期間中は逆洗浄または高圧洗浄機等で洗浄して下さい。
長期運転停止時には、濾布を取りはずし、殺菌、洗浄後良く乾燥し保管をお願いします。  
水洗 薬品洗浄( アルカリ性に弱いです) 水洗、濾板、濾枠の洗浄は本機に出来る限り水がかからぬように。又SS部の殺菌、洗浄を行いよく乾燥させ通風のよい様にして保管して下さい。  
※本文中の圧力及び時間は醪の状態等により異なる場合があります。              
※その他詳細はお問い合せ下さい。

操作時間表一例

オプション

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自動開枠
洗浄装置
既設機械へ取り付け可能です

ケーキ処理後、自動運転で板面洗浄を行ないます。自動開枠装置と洗浄装置とセットで取り付け、自動運転します。
高圧ポンプにて供給された洗浄水を6個の回転洗浄ノズルにて1枚1枚洗浄していきます。
装置を機械上部にセットすることによりコンパクトで場所を取りません。

より使いやすく、より高機能に改良された3つのポイント

エアーノズルの取り付け位置を変更

圧搾板の中板の厚さを4mmから8mmに変更することにより、エアーノズルを中板に取り付けることを可能にしました。この改良により、中板から直接エアーを入れることができるようになり、従来のようなシートの出っ張りをなくし、引っかかりによるシートの破損が大幅に減少しました。


濾過板の醪注入口を広口に改良

濾過板の醪注入部分(上部)を広く切り抜くことにより、注入部の隙聞を従来の11mm幅から30mm幅に広げました。この改良によって醪注入時の固まり等による詰まりを大幅に減少、各濾室への醪供給をよりスムースに行うことを可能にしました。


丸型サボーター増設、醪注入時の偏圧に対応

従来のサポーターは中央部の直棒だけでしたが、その直棒サポーターの両サイドlこ3個づつ、計6力所に直径50mmの丸型のサポーターを増設しました。これにより醪流入時の偏圧に対応。偏りをなくし、平均的に濾室に醪を流入させることができます。

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